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フリーランスで海外企業から仕事をもらうメリット・デメリット

前回のブログでは、フリーランスで海外企業から仕事をもらう方法についてご紹介しました。

今回は、フリーランスで海外企業から仕事をもらうメリットとデメリットについて書いていきたいと思います。

このメリット・デメリットは、さまざまな条件によって異なります。私個人の経験から感じたことを書いているので、すべての海外企業に当てはまることではありません。参考程度にどぞ。

メリット

1. 給料を外貨で支払ってもらえる

2. 日本企業よりも単価が高い(特に欧米企業の場合)

3. 単価を交渉しやすい

4. 日本人相手よりも言葉遣いや言い回しを気にせずにやり取りできる

5. インボイス制度の登録申請が不要

デメリット

1. 円高になった場合に給料を日本円にすると低くなる

2. 時差によって仕事の依頼を逃すことがある

3. 日本に比べて対応やメールの返信が遅い場合があり、問題解決に時間を要する

今思いつくことをざっと書いてみましたが、ご覧のとおり個人的にはメリットの方が多いと思っています。

メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

メリット&デメリット1. 給料を外貨で支払ってもらえる

これは為替のレートによってメリットにもデメリットにもなるため、まとめてご紹介します。給料を外貨でもらうことは、現在のような円安の場合、恩恵しかありません。しかし、円高になった場合は、自動的に給料の額が下がります。

私も8年間フリーランスで働いてきて、通貨によっては円高になったときもありました。でも、円高があまりにも進んだ場合には、その旨をクライアントに伝えて、単価を見直せないか交渉することができます。実際、私はそれで単価(そのときは時給でしたが)を上げてもらうことができました。健全な企業であれば、検討してもらえると思います。ただし、それによって、自分の単価がほかのフリーランサーより上がり、仕事の依頼が減ってしまうリスクはあります。なので、大幅な単価アップを求めるのではなく、程よい金額を提示したり、ある程度柔軟に対応できる態度を示したりすることが大切かなと思います。

メリット

2. 日本企業よりも単価が高い(特に欧米企業の場合)

これは、職種によって変わるかもしれませんが、翻訳業界では個人的に海外企業のほうが単価が高い印象があります。特に欧米の大企業や欧米の大企業をクライアントに持つ下請け会社(これについては前回のブログをご参照ください)は、単価が高い傾向にあります。単純に会社の資産規模が違うので、おのずと予算も変わってきますよね。

一方、アジア圏の下請け会社は、たとえ欧米の大企業をクライアントに持っていたとしても、提示される単価が低い傾向にあると思います。

これは勝手な推測ですが、税金対策としてEU圏の国の下請け会社に依頼する企業と、予算を低く抑えるためにアジア圏の下請け会社に依頼する企業の違いなのではと思っています。

また、日本を含むアジア圏の企業に比べて、欧米の企業は全体的に健全な労働環境を整えようとする姿勢がみえます。

3. 単価を交渉しやすい

これは、上記の健全な労働環境にもつながる話ですが、海外企業の場合、特に最近では企業側から単価を提示するのではなく、「あなたの単価はいくらですか?」と聞かれることがほとんどです。そして、その単価がよければ承認されますし、高すぎれば断られる、もしくは「これくらいまでなら払えます」というように提示されます。

日本人の場合、お金に関して自分から交渉していくことが苦手だという人が海外に比べて多いと思いますが、海外企業を相手に仕事をするのであれば、しっかりと交渉しましょう。よければラッキー、だめならしょうがないという気持ちで、交渉するのはタダですから。とはいえ、あまりにも高い金額を提示した場合は、交渉の話になる前に断られることがあるかもしれないので、初心者の方はネットなどで相場を確認してバランスを取りましょう。

4. 日本人相手よりも言葉遣いや言い回しを気にせずにやり取りできる

これは日本語以外、主に英語でやり取りする場合に当てはまります。英語以外はわからないので、言語によって当てはまるかどうかは変わってくるかもしれません。

仕事の場面では、日本人というだけでメールなどの言葉遣いや言い回しを気をつける必要があるのに、それがクライアントとなれば尚更です。敬語にしても、この表現は失礼にならないかなど気にしていると、メール文を作るだけで時間が取られたりします。フリーランスで案件ベースの仕事をしている場合、メールにかける時間は無給ですよね。私はいろいろと気にしてしまう性格なので、メール1つ書くのにも内容によっては時間がかかってしまいます。

もちろん、英語にも丁寧な言い方・カジュアルな言い方があり、使い分けることが大切ですが、日本語ほど種類が多くないと思います(~くださる、~いただく、~なさるとか色々多すぎる…)。そして、海外の場合、仕事のメールであっても、結構フランクなやり取りが多かったりします。これは相手の出方をみて合わせたり、それよりも少し丁寧な表現にしたりするとよいでしょう。

個人的に、あまりに下手(したて)に出すぎるのはよくないと思っています。謙虚さは大切ですが、あまりに謝りすぎる人は距離がなかなか縮まりにくい気もします。ついつい謝りすぎてしまう人は、本当に自分が謝らないといけないのか一度考えるとよいかもしれません。海外の人とよく接する方ならわかると思いますが、びっくりするくらい謝られません(笑) それはそれでどうなんだと思いますが、毅然とした態度で不必要に謝りすぎないことも大切だと感じます。

5. インボイス制度の登録申請が不要

最後にして結構大きなメリットだと思うのがこれです。インボイス制度については、ややこしくてきちんと説明できる自信がないので、参考になりそうなこちらの記事をご覧ください。

税金については、日本に住んでフリーランスで働いている場合は、クライアントが海外企業であっても、もちろん確定申告で所得税を納付しなければなりません。でも、海外企業はそれぞれの拠点地に税金を納めており、日本に税金を納めていない(日本の課税事業者ではない)ので、そうした企業をクライアントに持つフリーランサーインボイス制度の登録申請を特に行う必要はないと思います。

ただし、契約している海外企業に日本支社があり、その日本支社から支払いが行われるのであれば、話は別です。日本支社は日本の課税事業者になるため、登録申請を検討しなければならないでしょう。

デメリット

続いて、私が思うデメリットについてご紹介します。1.はメリットとまとめて書いたので、省略しますね。

2. 時差によって仕事の依頼を逃すことがある

これも主に欧州に拠点を置く企業とお仕事をする場合に当てはまることですが、時差があると、寝ている時間にお仕事依頼のメールが届く場合があります。クライアントがあなただけに依頼している場合は問題ありませんが、複数のフリーランサーに依頼している場合、早い者勝ちになることがあるので、海外に住むフリーランサーに先に取られてしまうことがあります。これは、ある程度の諦めが必要かなと思います。

たまに、「フリーランスで働くといつ仕事が来なくなるかわからないから、きた仕事はすべて受ける」という人を目にします。「今月は収入が少ないから」などの理由で一時的に行うことはあるかもしれませんが、それが通常になってしまうと体がもたなくなると思うし、生産性も下がる気がします。多少受けられない仕事があってもしょうがないと思う気持ちも健全な生活を送るために必要だと感じます。

3. 日本に比べて対応やメールの返信が遅い場合があり、問題解決に時間を要する

これはクライアントによりますが、日本や海外に関係なく、対応やメールの返信が遅い人っていますよね。割合的に考えると、今までの経験上、やはり海外のほうが多いんじゃないかなと思います。最近では、対応が遅くて困るということはほとんどないのでとても助かっていますが、過去には海外送金がうまくいかずに対応にも時間がかかり、、ということがありました。「急ぎの案件」と言われて急いで返信したのに、全然返事がこなかったり(笑) おおらかな気持ちを心がけて、相手に合わせるのではなく、自分軸で動くようにすると過度にイライラすることもなく過ごせるような気がします。

最後に

今回は長くなってしまいましたが、私がいま思うメリット・デメリットをご紹介しました。私は、前述のとおりいろいろ気にしてしまう性格ということもあり、海外企業とお仕事をするほうが自分に合っていると感じます。そして何より今は円安なので、ありがたくその恩恵を受けています。ぜひ誰かの参考になる日がくればうれしいです。